生産履歴システム「畑のとれさぶろう」の概要
食品表示の偽装問題、野菜への農薬の残留が顕在化し、消費者の食品への信頼は著しく揺らいでいます。生産者と消費者をつなぐ「安心」をとり戻し、消費者の信頼を得るために、生産者が「安全」な生産を行うことはもちろんですが、消費者が手にする野菜の個別の生産情報を求めに応じて開示することが必要です。
生産履歴システム『畑のとれさぶろう』は、生産者がカメラ付き携帯電話やパソコンで記録した生産履歴と出荷する生産物とを結びつけ、消費者が店頭で手に取った野菜の商品ラベルから携帯電話等で食品の生産履歴を確認することができるようにしたものです。
「畑のとれさぶろう」の特長
食品のトレーサビリティ(食品の生産、加工、流通の各段階の情報を追跡、遡及できるようにすること)は生産活動の記録に始まります。いつ、どこで、誰が、どのように栽培、出荷されたものかといった情報を確実に把握していくことが必要です。生産者や栽培状況をHPで公開するだけであれば、消費者に安心イメージを伝えることはできても、手に取った食品の個別の生産プロセスを遡及し、その安全性を確認することは困難です。
「畑のとれさぶろう」は生産者、圃場、栽培、資材等のデータを管理し、出荷ロット毎に生産物と生産履歴を結びつけるための追跡(遡及)コードを発行し、このコードをベースに出荷以降の流通、加工、店頭でのプロセスを付加することで、全プロセスのトレーサビリティへの始点とすることを念頭に設計されています。
消費者は野菜の商品ラベルにある追跡コード(12けたの数字)をWebサイトに入力すると、その野菜の詳細な生産情報がわかります。さらに生産者、連絡先、URLなどの情報を2次元の複雑な模様でデータ化した「QRコード」を認識できるカメラ付き携帯電話で商品ラベルのQRコードを撮影すると面倒なキー操作をせずにその場で情報を見ることができます。
生産者は農作業の合間にカメラ付き携帯電話で作業シーンを撮影しその場で送信すると、生産履歴データベースに追加され、HPも自動更新することができます。

「畑のとれさぶろう」が利用可能なステージと拡張性
フードチェーンにおける生産、流通、加工、店舗等の多段階の経路すべてでトレーサビリティを完結させるためには、「畑のとれさぶろう」でカバーしていない出荷後〜消費者までの経路情報を把握し、各段階毎に「とり扱い」をデータベースに記録し、次の段階に引き継いでいかなければなりません。また各段階でのトレーサビリティシステムが稼働していた場合には、既存システムとどのように連結していくかが重要です。「畑のとれさぶろう」は、他システムとの連携や「畑のとれさぶろう」自身のカバーエリアの拡張を予測して設計されています。
畑のとれさぶろうが利用可能なステージ |
栽培・出荷記録 |
経路情報 |
履歴閲覧
|
生産
|
出荷 |
流通・加工(店舗)
|
消費者・店舗
|
「畑のとれさぶろう」が対応 |
未対応 |
「畑のとれさぶろう」が対応 |
|